辞職表明し、報道陣の取材に応じる、日銀の白川方明総裁=2月5日、日銀【拡大】
建設的提言発せず
決済や取引された財・サービスの度量衡の正確さを保証する通貨という存在は、国家にとって一種の保障債務でもある。負債比率が高まった企業の財務内容が悪くなるのと同様、経済活動以上のマネーサプライが生まれたら、国としての運営が立ち行かなくなる。中央銀行を近視眼的な民主主義から隔離しなければならないというのは、一種の知恵だ。
もっとも、住宅ローンなど証券化市場が発達している米国と異なり、そもそも日銀にはもう買うものがない。問題は企業がどうイノベーションを生み出すか、いかに労働生産性を向上させるか。つまり成長戦略だ。
しかし、超低金利時代が長すぎたので、企業が資本コストを意識しない規律なき経営が当たり前になっている。ガバナンスなき上場企業が国民経済の成長を牽引(けんいん)できるはずもない。