増加の要因には、同研究室が観測網を充実させたこともあるが、サイバー攻撃の多様化も背景にある。ウイルスに感染したパソコンが何者かに遠隔操作され、他のパソコンに攻撃をしかける手法が浸透。同研究室では「攻撃の成功率は定かではないが、手口の巧妙な攻撃が広がっている」(同室)と危機感を示す。
同研究室によると、11年からの2年間で計約25億件と発信元の国として最多だった中国では、ウイルス感染率が高いとされる違法コピーのパソコン用基本ソフト(OS)が多く出回っている。
違法コピーの場合、遠隔操作ウイルスや、他のパソコンに自動的にウイルスを拡散させる攻撃を仕掛けられるケースが後を絶たない。計約23億件と中国に続いて多い米国からも、遠隔操作ウイルスの感染などによる攻撃が見られるという。