急拡大を遂げてきたソーシャルゲーム業界が、曲がり角にさしかかっている。2013年度の国内市場は12年度見込み比で10%増にとどまり、成長ペースに急ブレーキがかかる見通しだ。
携帯電話ユーザーにゲームが浸透するにつれて需要の拡大余地は狭まり、廃止したアイテム商法「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」に代わる収益源の不在も響く。頼みの綱となる海外事業もディー・エヌ・エー(DeNA)、グリーの大手2社がともに黒字化が遅れるなど、先行きの不透明さが増している。
後手後手の感が否めない対応
「ご心配とご迷惑をおかけし、大変申し訳ない。経営陣、社員一同、同じ間違いを犯さないように一層努力したい」
グリーの田中良和社長は12日、12年10~12月期連結決算の発表会見で陳謝した。同社は1月上旬、未成年者に対して設定していた課金の上限額を上回る請求をしていたと公表。当初、対象者は延べ733人で超過分の請求額は2811万円としていたが、その後、対象者は5544人、請求額は4937万円に拡大した。