健全性をめぐる対応は後手後手の感が否めない。12年には、ゲームで獲得したアイテムを競売サイトなどで現金化する「リアル・マネー・トレード」やコンプガチャが問題化し、各社はコンプガチャの自主廃止を余儀なくされた経緯がある。厳しさを増す業界への視線はボディーブローのように業績にも響く。
国内市場の成長鈍化は著しい。矢野経済研究所によると、13年度は12年度見込み比10%増の4256億円と拡大を維持する見通しだが、10年度の約3.8倍、11年度の約2倍、12年度見込みの37%増と、年を追うごとに伸び率は縮小している。
グリーの10~12月期連結決算は売上高が前年同期比5%減の394億円、本業のもうけを示す営業利益が37%減の142億円と減収減益だった。新作の投入が遅れており、13年6月期の連結最終損益も前期比23~35%減の310億~370億円と、従来予想の460億~520億円から大きく下方修正した。
「逆輸入」を加速
厳しさを増す国内の収益環境を補うため大手2社が注力しているのが、海外需要の開拓だ。