シャープ本社【拡大】
パナソニックなど電機連合の一部労働組合が13日、経営側に2013年春闘の要求書を提出したが、経営不振のシャープの労組が統一交渉からの離脱方針を固めるなど足並みが乱れている。
価格下落の激しいデジタル家電が主力の企業と、堅調なインフラ事業などを持つ企業の間で業績格差が広がっているためだ。電機連合は統一要求の見直しを検討しており、業界全体で賃金の底上げを目指す「統一闘争」に転機が訪れている。
「電機産業や個社の状況は慎重に見極めないといけない」。経営側に定期昇給の維持などを求める要求書を提出したパナソニック労組の幹部は13日、険しい表情でこう述べた。
デフレからの脱却を目指す安倍晋三首相は賃金の引き上げを企業に求めているが、国際競争が激化する家電業界の状況は厳しい。テレビ事業の不振などでパナソニックは13年3月期の最終損益が7650億円の赤字、シャープも4500億円の赤字を見込み、ともに2年連続で巨額赤字に陥る。