外断熱用ボードの施工風景【拡大】
住宅・都市整備公団(現都市再生機構)の低層住宅は、壁面や床板などの平面的な構造材を組み合わせた壁式構造を採用しているケースが多い。一般的な鉄筋コンクリート構造のように柱やはりが出ていない点が特徴だ。長谷工はここに目をつけた。外壁部に断熱材を取り付ける外断熱工法を施工しやすいからだ。
外断熱のメリットは、構造体の耐久性が向上する点。太陽熱や二酸化炭素(CO2)の透過を抑制するため、ひび割れを起因とする中性化の進行が抑えやすくなる。結果として、今回の外断熱改修によってコンクリートの寿命を従来の45年から90年に延命化。「子供たちの故郷を残したいという居住者側の希望に応えることができた」(長谷工リフォームの鹿倉克幸副社長)という。
また、スマートメーターの設置による消費電力量と最大電力の「見える化」を実現することなどにより外断熱との相乗効果を発揮。1戸当たり年間で約3万7000円分の省エネ効果が生まれると試算している。