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2階にあるヤング向けの「パーク」はピンク基調の明るいムード、かたや最先端ファッションを発信する3階はアバンギャルドな雰囲気と、フロアごとにイメージを統一。旬のファッションスタイルの提案やデザイナーとのコラボ企画を開くほか、外部のアーティストを招くなど、従来の枠を超えた催しの場として活用する。
「手堅く販売を見込めるトレンド商品だけに安住していては、販売増を見込めない」と話すのは、中陽次店長。パークを設置したことで、2~4階の売り場面積は以前と比べ約10%狭くなったが、「もう『規模』で勝負する時代ではない。それより、もっと賛否が分かれるような新しい価値を持った商品を提供していかなくては」と百貨店の将来像に思いをはせる。
まだ世間の価値が定まっていない新しい品や組み合わせを見つけ出し、それを「新しいモード」として世に発信する-。中店長は、そうした「百貨店の原点」に磨きをかける場として、パークを活用したいという。
年商二千数百億円と日本一の売上高を誇る同店だが、08年のリーマン・ショック後には、リニューアルの手を緩め、客離れを招いた。「伊勢丹新宿本店は、常に新しいモノを提供しなくてはならない宿命を負っている」。そう話す大西洋・三越伊勢丹ホールディングス社長は、早くも次の改装プランを描いている。
今月からは東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転が始まり、横浜方面からのアクセスの利便性も格段に高まった。伊勢丹新宿本店の追求する「ファッションとアートの融合」はどんな進化を遂げていくのか、今後も目が離せそうにない。