シャープ本社=大阪市阿倍野区【拡大】
《サムスングループは90年代、CMでこんなセリフを流した。「ナンバー2のことなど誰も覚えていない」。傲慢な印象を与えたせいか、このCMは不評で、ほどなくして差し替えられた》
技術力に乏しく、デジタル技術の進歩による家電の汎用(はんよう)化と通貨(ウォン)安を武器に、世界を席巻してきたサムスンだが、中国勢の追い上げとウォン高は障害になりつつある。こうした状況下で、わずか約100億円でシャープの大株主となる意味は大きい。
シャープが「宿敵」から「大株主」となるサムスンと今後どう対峙(たいじ)していくのか。資金を提供し、液晶パネルを購入してくれる“白馬の王子”とみていると、思わぬ落とし穴にはまり込むことになるかもしれない。(島田耕)