総務省が今秋にも追加で割り当てる周波数は、全国規模の事業者を選考対象とし、地域ワイマックス事業者は除外される見通し。
地域ワイマックス事業者は全国規模の事業者が提供する最大毎秒100メガビット以上の超高速サービスの提供は不可能となり、地方と都市部のブロードバンドサービスには大きな隔たりができることになる。
21日に都内で記者会見を開いた孫氏は、買収した携帯電話事業者、イー・アクセスの基地局をソフトバンクモバイルの高速データ通信サービス「LTE」で使えるようになったと説明。
しかし、都市部を中心に設置してきたイー・アクセスの基地局を活用できるのは当然、人口密集地が中心。人口密度の低い山間部や離島でその恩恵を受けることはほとんどなさそうだ。
トップダウンで離島にブロードバンドを引き込んだ孫氏はいま、人口密集地で「つながりやすさナンバーワン」を呪文のように唱える。都市部と地方の情報格差を埋めるはずだったブロードバンド政策は逆走しているかのようだ。(産経新聞経済本部 芳賀由明)