停電による燃料プールの冷却停止や地下貯水槽からの汚染水漏れなど福島第1原発で相次いでいるトラブルは、東京電力の経営再建にも少なからぬ影を落としそうだ。柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を軸の一つに据える経営再建策の実行には、原発事故の収拾を着実に進めて信頼を取り戻すことが欠かせない。3期ぶりの黒字転換に向け、広瀬直己社長が「勝負の年」と位置づけた今年度、スタートダッシュに失敗したダメージは大きい。
「私が先頭に立ち、対策を逐一打ちます。本当に申し訳ない」。広瀬社長は8日、茂木敏充経済産業相と会談し、一連のトラブルを謝罪した。
福島第1原発のトラブルは文字通り、頻発している。ネズミが原因で停電が起きたのをきっかけに、3月18日に使用済み核燃料プールの冷却が約29時間停止。4月5日には配電盤への小動物侵入を防止する金網の設置作業のミスで停電が発生し、燃料プールの冷却が再び停止。さらに地下貯水槽から推定で最大120トンの汚染水が漏れ出たことが同日確認され、7日には別の地下貯水槽からも汚染水が漏洩(ろうえい)したと発表した。