自工会などによると、TPP参加国(非関税のシンガポール除く)への自動車分野の関税支払額は年間約2000億円。米国だけで約800億円に上るという。超円高の是正で輸出採算が改善してきたとはいえ、ライバルの韓国は米韓の自由貿易協定(FTA)の締結で、2016年3月に関税がゼロとなる。主力の北米市場などで厳しい価格競争が続くだけに、自工会幹部は「首相は『頑張っている人が報われる社会』というが、円高下で苦しみながらも国内生産を維持してきた自動車産業は報われないのか」と憤る。
合意では、保険分野でも日本側が譲歩した。日本政府の関与が残る日本郵政傘下のかんぽ生命保険のがん保険や学資保険などの新商品販売を認可すべきではないとする米側の主張を受け入れ、政府は認可を当面凍結することにした。米側の懸念に配慮する形となったが、かんぽ生命側は「今回、発売を目指している学資保険は全くの新規事業ではない。今回のTPPの合意とは別のものだ」と反発した。