韓国からの普通鋼鋼材輸入量【拡大】
ポスコにとっては、日本の自動車メーカーへ食い込む足がかりを何としても築きたいところ。だが、日本の鉄鋼メーカーの製品とポスコの製品を比べると、汎用(はんよう)品では差がないとされるが、「高級品ではまだ追いついていないのが実情」(国内大手鉄鋼関係者)だ。
複雑な形状の部品や高張力鋼板(ハイテン)などは、日本のメーカーとの差がある。「たとえ作れたとしても、品質にばらつきが出る。仕様から大きく外れると、メーカーでは恐ろしくて使えない」(同)。
修正には、高炉からすべての工程で技術差を埋める必要があるほか、マンパワーや品質管理の問題もあり、すぐに日本市場で成功する可能性は低い。
アベノミクスによる超円高是正で「韓国からの輸入鋼材は大きな脅威にはならなくなった」との声も多い。これまではウォン安で、鉄鋼業界では「韓国からの輸入鋼材の方が、1トン当たりのコストが1万円安い」とまで言われていたが、その優位性は吹き飛んだとみられている。