そこで25年モデルでは、フェース部を厚くした「ディープフェース」を採用し、有効打点距離を伸ばし、低スピン化を目指す方針に転換した。ゴルフ営業部開発設計課の山口利道係長は「フェース部を厚くすると、どうしても重心が高くなる。重心を低い位置に維持したままでのディープフェース化の作業は困難を極めた」と振り返る。
クラブのデザインは、CAD(コンピューター利用設計システム)によるシミュレーションを行うが、今回の技術的なハードルは高い。山口係長は「例年のモデルの場合に比べて、やり直した数は圧倒的に多かった」という。だが、その過程でデータを蓄積しながら理想の重心を追求していった。
苦労の甲斐あって、新たな手法にたどりつく。重心を下げるにはヘッドの下部に重量物が必要となる。新手法は、ヘッドの余剰部分を下部に適正配分する作業を重ねる。