クラボウ“畑違い”でも自信満々 新事業プリンター販売の狙いは? (4/4ページ)

2013.4.28 12:03

クラボウが輸入販売を始めたAZONの「UVTT」(クラボウ提供)

クラボウが輸入販売を始めたAZONの「UVTT」(クラボウ提供)【拡大】

 このため、インクジェットプリンター市場を広げて将来のビジネスチャンスにつなげようと、低価格品の輸入販売に踏み切ったのだ。

 4月上旬の発売後、早くも購入者が出始め、引き合いも増えている。

 さらなる皮算用

 クラボウはさらに先を見据えている。同社は、染色加工で培ったコンピューターによる配色シミュレーション(模擬実験)システムを自社開発し、何千万色もの組み合わせを画面上で再現できるノウハウを持つ。

 取引先から「クラボウの配色システムを売ってほしい」との声が上がり、事業化が実現している。現在は、自動車や塗料などの大手メーカー各社がクラボウのシステムを導入しているという。

 同社は、アゾン製のインクジェットプリンター2機種の年間販売目標として計100台を掲げている。市場が広がれば、「プリンター単体の売り上げだけでなく、配色システムとのシナジー(相乗効果)も見込める」とそろばんを弾く。

 プリンターや配色システムを含む同社の「エレクトロニクス」事業の23年度売上高は42億円と全社の3%弱に過ぎない。本業の繊維事業が伸び悩む中、エレクトロニクス事業を成長分野として力を入れる。これだけのノウハウがあれば、伸び代はかなり大きそうだ。(藤原章裕)

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