アップルはこれまで、スマホの「iPhone(アイフォーン)」やタブレット型端末の「iPad(アイパッド)」にサムスンのアプリケーションプロセッサーを採用し、同社に数十億ドルを支払ってきた。パソコン販売台数の落ち込みによって従来型メモリーチップの需要が減少するなか、サムスンにとってアップルとの契約は半導体事業を支える大きな柱だ。
サムスンの別のパートナー企業の幹部は「アプリケーションプロセッサー事業はサムスンの成長エンジンの1つであり、同社が重点的に投資している分野だ」と指摘。「サムスンがA7の製造を受注できなければ、チップ製造ラインの一部が停止する可能性もある。これは同社にとってぜひとも避けたいシナリオだ」としている。
サムスンは、“アップル・ショック”を最小限に食い止めるため、エヌビディアから提示された厳しい受注条件を受け入れて同社との事業を推進していく姿勢だ。(ソウル支局)