【ビジネスアイコラム】
東京・用賀の●研究所で、ISVC技術で処理された映像に驚いた。250型巨大スクリーンに上高地(長野県)が映し出されたが、遠景の山の稜線(りょうせん)や山肌がくっきりと見える。
画面中央に映る川には雪解け水がごうごうと流れているのもはっきりと分かる。もっと手前を見ると風にそよぐ木々の葉が太陽の光を浴びて輝いている。まさに、すがすがしい上高地にいるような臨場感だ。
同じ感覚を覚えた記憶がよみがえった。1996年11月、平面テレビ「ベガ」の発表会だ。当時「あったらいいけど、できっこない」と言われたブラウン管の平面化を実現したが、初めて見たとき「車窓から景色を眺めているのと同じだ」と感じた。
会場に並んだテレビには、近藤哲二郎氏が開発したDRC技術は搭載されていなかったが、肉眼で実世界を見ているかのような感動を与える映像づくりをこのときから追求し、ISVCにたどり着いたことが分かる。