ただ、同じ日、東京ではガスプロムのミレル社長が茂木敏充経済産業相と会談し、ウラジオストクに建設するLNG基地の重要性を再確認していた。「丸紅とロスネフチとの提携は抜け駆けだ」などと波紋を呼んだが、国分社長は「安定調達に向け、可能性のあるプロジェクトに手を打つことが国益につながる」と意に介さない。
ノバテクも3月、北極圏・ヤマル半島のLNG事業への参画を日本企業各社に要請している。商社関係者は「ロシアのエネルギー企業による日本での覇権争いの始まりだ」とみる。
日露の思惑が一致
日本側は、豪州、カタール、マレーシアに次ぐ4番目のLNG輸入先としてロシアを重視する。調達先の多様化が、火力発電用燃料のLNG価格の引き下げにつながるからだ。一方のロシア側は、米国で生産が本格化している安価なシェールガス開発のあおりを受けて主力の欧州向けガス販売が大きく落ち込み、新たな販路開拓が課題だった。
4月29日に行われた安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談では、エネルギー協力が共同声明に盛り込まれた。両者の思惑が一致し、サハリンや東シベリアで生産される天然ガスを液化し、日本に輸出する開発計画が進む可能性が出てきた。