プーチン大統領はLNG輸出を後押しする。2月、ガスプロムが独占していた輸出体制について段階的規制緩和を打ち出したことで、ロスネフチやノバテクとの競争が激化。ガスプロムは両社の動きに神経をとがらせているという。
事業参画へのリスク
ロシア国内の競争激化は、LNG事業の先行きを不透明にさせている。ウラジオストクのLNG事業は昨年4月、経産省の音頭で、伊藤忠商事、石油資源開発などがガスプロムと覚書を結んだ。「日本から近く、安定調達ルートとしても重要」(伊藤忠商事の豊島正徳執行役員)なプロジェクトだが、ロスネフチが極東で新たにLNG事業をぶち上げたことで、液化するための天然ガスの調達量に不安が生じ、日露首脳会談では言及が見送られた。
一方、ガスプロムのほか三井物産、三菱商事などが参画するサハリン2は昨年、日本に1千万トン強のLNGを輸出した優良プロジェクトだ。この拡張計画は、敷地内に第3プラントを新設するもので経済性は高く、日本商社は水面下で事業化を狙う。ただ、稼働率を上げるには既存の余剰ガスだけでは足りず、サハリン3の新たなガス田開発が欠かせない。