3Dプリンターの国内需要【拡大】
同社が現在扱っている魔法瓶は約190機種に上る。製品開発を支える原動力が、米ストラタシス製の3Dプリンター3台だ。導入したばかりの2006年に発売した新製品は年間30機種程度だったが、3Dプリンターを使いこなすことで12年度には1.5倍の45機種ほどに増えた。
製品開発では、企画した複数のアイデアを1つに絞った上で設計作業に入り、金型を発注する。魔法瓶の飲み口が設計図通りに動くかを確かめるために欠かせない「プロトモデル」を試作する場合、3Dプリンターの導入前は新潟県や中国の協力工場に依頼し、発注から仕上がりまで約2週間かかっていた。
導入後は2日程度で試作ができるようになり、工程は大幅に短縮。さらに社内で「現物に近い立体造形」にしてアイデアを確かめ、具体的な議論を膨らませることができるため、企画・設計の作業がスムーズに進むようになった。