新みずほ銀行本店となる現みずほコーポレート銀行ビル=東京・丸の内【拡大】
新みずほ銀の頭取は、みずほFGの佐藤社長が兼務する。佐藤氏に持ち株会社と中核銀行の意思決定権限を集中し、経営のスピード感を高める狙いがある。
すでに2行は、昨年4月から「実質ワンバンク(1銀行)」の取り組みを本格化。双方の金融商品や金融技術の部門、顧客取引の部門に横串を刺し、役員の兼務を広げるなどして、収益底上げや効率化に努めてきた。合併で実際に1つになれば「実質ワンバンクで取り組んできた効果が徐々に結実してくる」とメリルリンチ日本証券の大槻奈那アナリストは語る。
BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニア・アナリストは「今後は、みずほコーポ銀が築いてきた先進的な金融商品や金融技術を、みずほ銀の顧客層に応用する流れに弾みがつく」とみる。
一方、みずほでは2行が発足した02年4月と東日本大震災の発生直後の11年3月にそれぞれ、大規模なシステム障害が発生。一部の現金自動預払機(ATM)が止まったり、給与などの振り込みの遅れが生じるといった混乱を招いた。2度目の障害で失墜した信頼の回復に抜本的な経営刷新が必要となり、今回の2行合併につながった経緯がある。