ICTで温度管理を徹底し、仙寿菜を栽培する「秋彩」農園=18日、静岡県沼津市【拡大】
「ハウスの室温は30~40度、水温は23~24度と温度管理が難しい。ICTの実力が試される」と担当者は話す。
「秋彩」は約1年前にプロジェクトがスタートし、全国10カ所で実証実験を実施した。システムを導入した農家の中には、「キャベツの収量が30%アップした」(阪井洋之ソーシャルクラウドサービス統括部長)ケースもあるという。
作物ごとの利益率を基に作付ポートフォリオを作成したり、圃(ほ)場ごとの品質・生産性の比較による課題を把握したりする一方、作業のマニュアル化で人材育成に貢献するなど、農家の経営・生産の「見える化」を実現し、収益拡大の効果が表れている。
現在は、食品加工や卸、小売り、外食などの産業もプロジェクトに加わっており、生産から販売までをICTを使って結ぶ「食のバリューチェーン」構築にも取り組む方針だ。