大きな文字やアイコンが特徴の富士通の「らくらくスマホ」の操作画面【拡大】
富士通は6月に初めて海外で携帯電話の売り込みに打って出る。攻略の軸に据えるのは、モバイル機器の操作に不慣れな高齢者など初心者向けのスマートフォン(高機能携帯電話)だ。
米アップルと韓国のサムスン電子の2社だけで世界の半分を押さえるスマホ市場では、中国メーカーがシェアを伸ばす一方、日本勢の影は薄い。富士通は最先端機種で販売量を増やす「正攻法」ではなく、ターゲットを絞る手法で海外での浸透を目指す。この戦略はモデルケースとなりうるのか。世界進出を試みながら撤退を余儀なくされてきた他の日本勢も注視している。
明確な差異化で挑む
電話やメールなどの機能が大きな文字で表示された画面に触れると、タッチパネルなのにボタンを押すような感触が得られる。富士通が海外攻略の先兵に据える「らくらくスマートフォン」は、従来型携帯電話でシリーズ化して以来、国内で2000万台以上を売ったヒット商品の人気機種だ。サービスの一環として設けた専用SNS(交流サイト)「らくらくコミュニティー」の登録者は5万人に迫る。