関西電力の相生火力発電所。大半の原発が停止する中、高稼働が続く【拡大】
震災前、原発依存度が5割以上と全国で最も高かった関電は、原発をほぼフル稼働させて基礎部分の電力をまかなってきた。火力発電所は出力を微妙に調整しながら、足りない部分を補う役割を担ってきた。
火力発電所の稼働状況は常に変化するため、もともと「疲労しやすい体質」だった。さらに、震災後はフル稼働を強いられ、長年にわたって蓄積された“疲労”が、一気に表に出てきたとの見方もある。
火力1~2基が“命綱”
電力不足が招く最悪の事態は大規模停電「ブラックアウト」だ。
ブラックアウトを避けるためには、需要に対する供給力の余裕を示す「予備率」が8~10%程度必要とされる。しかし今夏、北海道、中部、中国以外の電力各社は、この水準を割り込んでいる。
最低は関電の3・0%。最大電力需要が2845万キロワットと予想されるのに対し、供給力は2932万キロワットで、その差は87万キロワットしかない。