関西電力の相生火力発電所。大半の原発が停止する中、高稼働が続く【拡大】
関電の火力発電は、舞鶴発電所1号機(石炭、出力90万キロワット)、赤穂発電所1号機(石油、出力60万キロワット)、相生発電所1号機(同、出力37・5万キロワット)-など。夏場の需要ピーク時に1基か2基でも止まってしまうと、危機的な状況に陥る。
急がれる原発再稼働
もっとも、ブラックアウトの可能性は限りなく低い。というのも、ライフラインである電力供給をめぐっては、さまざまな“防衛策”が用意されているからだ。
その一つが、大規模な電力不足に陥る恐れがあると、強制的に特定のエリアを停電させ、需要を削る「UFR」という装置。ただ、突然の停電は大混乱を招くため、電力会社も実施しづらい。
もう一つは、大震災直後に東電が実施した「計画停電」だ。事前に予告して地区ごとに順番に停電させるため、「UFRよりまだマシ」(関係者)だが、それでも、消費者から大きな批判を浴び、首都圏はパニック状態に陥った。
こうした事態を避けるためにも、火力発電所の“酷使”を速やかに終了させ、原発の停止を長引かせないようにすべきだろう。