同期の連結営業利益は3910億円で、ドコモの2475億円を逆転。通期予測も従来予測の9000億円から1兆円以上に上方修正し、ドコモの8400億円を上回る見通しだ。“強気”の背景には、7月のスプリント買収で日本の2.5倍にあたる3億5000万台の携帯契約数を持つ巨大市場・米国への足がかりを得たことがある。
ソフトバンク-スプリントのスマホ販売台数は2650万台で、ドコモやKDDIを大きく上回り、日米あわせた市場で3位の規模だ。このスケールメリットを生かし、両社は営業費用を今後3年間で年平均20億ドル(約1950億円)圧縮。周波数帯や通信方式に共通点も多いことから、設備投資も3年間で3割程度圧縮できると見込む。
こうして生まれた余剰資金を米国市場開拓に振り向ける。スプリントは今後、ライバルのベライゾン・ワイヤレス、AT&Tよりスマホの基本料金を割安に設定。データ通信も無制限に使用可能とするなどの販売戦略で差別化を図る。9月以降は孫社長が「日米を半々で行き来する」格好で陣頭指揮を執り、収益力改善を急ぐ。