失われた「鉄の結束」
部品メーカーにとってはさらに厳しい状況もある。
大手自動車メーカーが「高品質・低価格」部品を求めて、海外にも目を向け始めたからだ。
ダイハツは平成21年、部品調達コストを大幅に削減する方針を発表。軽自動車の部品について、既存の取引先にこだわらず、海外メーカーを含め調達先を広げる方針を明らかにした。
実際、「ミラ イース」の改良版でも、販売価格を抑えるため、海外製の部品を一部使っている。
同社担当者は「部品メーカーもグローバル競争が激化している」と指摘する。
かつて、国内の自動車メーカーと系列部品メーカーは“鉄の結束”と呼ばれたが、その「古き良き伝統」は失われつつある。
軽自動車市場はかつてない盛り上がりを見せているが、関連産業が全て“追い風”というわけではなさそうだ。(板東和正)