トーマツグループの売上高【拡大】
その場で投資即決
最も大がかりな「47都道府県ベンチャーサミット」は地元の自治体や銀行などのバックアップを取り付けながら、現地の起業家数十人を招待。ベンチャーの経営支援を行うサムライインキュベート(東京都品川区)の榊原健太郎社長がプレゼンテーションを聴き、「少ない人数で収益を上げ、世の中を変えるようなビジネスモデルを確立している」と判断したら、その場で投資を決める。TVSは、13年度中に全都道府県で実施する方向で取り組んでいる。
トーマツがベンチャー支援に注力するのは、グループを支える監査法人の収益力改善が課題となっているからだ。IPOの件数は2000年の204社をピークに減少し、リーマン・ショックの翌年の09年には19社に落ち込んだ。10年以降は回復に転じたものの、大企業の子会社の上場廃止や買収増加も響き、国内の上場社数は減少傾向にある。