SIMカードとは、電話番号や利用者固有のID番号といった個人データを記憶したICチップのことです。みなさんのスマホや携帯の端末に差し込まれています。
報道などによると、簡単にハッキングされる恐れが発覚したのは、「DES」と呼ばれる1970年代に開発された暗号技術を使っているSIMカードです。セキュリティー技術を向上させた「トリプルDES」を採用しているカードなら安全だそうですが、問題は、自分のスマホや携帯のSIMカードがこれに該当するかどうか、調べる術がないということです。
なぜこんなことが分かったかというと、独ベルリンでコンピューター・セキュリティーの会社を運営するコンピューターの暗号技術の専門家兼研究者兼善玉ハッカーのカースティン・ノール氏が、自分で実験したところ、わずか2分で他人のスマホやパソコンに侵入できたという実証実験の結果を公表したからです。
実験では、携帯電話で短い文章をやり取りするSMS(テキストメッセージ)を介し、遠隔操作ウイルスを相手に送付し、SIMカードを感染させることに成功。遠隔操作によって、盗聴のほか、決済機能を使って勝手に商品を購入したり、所有者しか知らないアカウントを変更したりできたといいます。