春秋航空グループの日本航路【拡大】
ところが、昨年の日中関係悪化が冷や水を浴びせ、搭乗者は激減した。巻き返しを狙って昨年10月には、一部路線で「片道1円」の航空券を販売する“奇策”に打って出た。だが、日本に中国人を利益度外視で送り込むイメージが広がり、中国内で「売国奴」との批判が殺到。結局、数日で中止に追い込まれ、搭乗率が5割を切る月も出たという。
ツアー客が激減する中、春秋航空は、上海から日本の地方空港を経由して成田に向かうネットワークを構築し、日中のビジネス客を取り込もうと考えている。
さらには、上海と関西国際空港を結ぶ路線も来年1月をめどに開設する予定で、ネットワークの拡充を急ぐ。同社は「日本ではまだまだLCCの需要が見込める」と強気だ。
地方空港を抱える日本の自治体にとっても、海外LCCの参入は“大歓迎”だろう。日本航空の経営破綻をきっかけに地方空港に飛んでくる路線はどんどん姿を消し、各空港は採算が取れなくなっていたからだ。