春秋航空グループの日本航路【拡大】
「嫌中」「反日」どう影響?
懸念は、悪化したままの日中関係と、日本のライバルの急成長だ。
昨年3月には、ピーチが関西空港を拠点に就航し、乗客を増やしている。
成田空港でも外資系などのLCC参入が相次ぎ、“戦国時代”の様相だ。
春秋航空の日本国内線参入に対し、ピーチの担当者は「当社だけでは潜在需要を掘り起こすことはできず、航空業界が盛り上がる」と歓迎する。
「(日中関係の悪化で)タイミングが悪すぎる」(航空関係者)と疑問視する声はある。
それでも、春秋航空側は「民間レベルでの交流は続いている」(担当者)と意に介さない。他のLCCが乗り入れていない地方空港の路線開拓も視野に入れ、差別化を図るとみられる。
岩井コスモ証券の有沢正一・投資調査部副部長は「春秋航空は中国初のLCCで、運航品質は高い。日中関係が悪化しているとはいえ、ビジネスの世界は別。このタイミングでの参入表明は、競争力に自信がある証拠」と分析する。
果たして、日中両国民が抱く「嫌中」「反日」の感情を打ち破って、乗客を取り込めるのだろうか。(中村智隆)