ただ、古賀氏は3日の定期大会で「賃金交渉に政治の介入があってはならない」と強調。賃金交渉は労使の専管事項と改めて主張することも忘れなかった。
景気回復局時の賃上げ要請は労働側の追い風になるが、いったん政治介入の前例をつくれば景気後退局面で賃下げを求められる恐れがある。政府要請で賃上げ企業が増えれば安倍政権の得点になり、古賀氏が「野党再編の主軸になる重要な存在」と話す民主党の足を引っ張りかねないとの政治的な思惑も働く。
しかし、景気の回復基調が鮮明になるとともに消費税率の引き上げが決まり、経営側にも「業績が回復基調にある企業は賃上げをすべきだ」(経済同友会の長谷川閑史代表幹事)との認識が広がりつつある。
連合は12月の中央委員会で春闘の闘争方針を決定。経団連も12月の経営労働政策委員会で春闘指針を決める。政治介入をどう排除し賃上げを勝ち取るかが労働側の課題だ。(早坂礼子)