経団連は4日までに2020年夏季五輪・パラリンピックに向けた選手の育成を経済界全体で支援するため「スポーツ推進委員会」を新設する方針を決めた。会員企業約100社が参加し、実業団スポーツへの資金援助や選手の就職支援などを推める。委員長にはトヨタ自動車の豊田章男社長(57)が就任し、11月11日の理事会を経て正式発足する見通しだ。
注目は委員長に就任する豊田氏だ。経団連には政策や地域別に各種の委員会があるが、委員長には副会長など幹部が就くのが通例で、主要ポストに就いていない同氏の起用は異例だ。
関係者は「慶大時代にグランドホッケーの日本代表選手だった経験があり、五輪開催時も60代と若い」などと説明するが、トヨタが日本を代表する製造業であることから財界には「今回の人事は“次の次”の経団連会長人事への布石ではないか」との観測が出ている。