赤字でも追加納税
ユニクロの成功とは対照的に撤退を決めた企業もある。中国に進出以来、数年間にわたって赤字が続いていたある飲食店経営者は店をたたむことを決めた。ただ、会社清算の手続きは難航した。
この経営者は「追加で支払う税金なんて発生しない」と考えていたが、中国の税務当局は「ずっと赤字という状態でこれまで経営が続けてこられたはずがない。何らかの手口で利益を隠しているはずだ」と主張。会社清算の手続きは、債務を解消の上で支払うべき税金を納めてからだと指摘された。
清算が認められたのは2年後。債務超過のための増資、追加納税などを当局は執拗(しつよう)に求めてきた。
この経営者はため息をつく。
「想定していた3倍のお金がかかった。結局はお金をいくら積むかだった」(敬称略)