◆入り口へ案内
さらに、同社では建物の入り口へのアクセス経路を歩行調査で調べ始めている。「目的地付近に到着しました」とカーナビに言われたが、本当の目的地は川の向こう側だった--というのはレアケースかもしれないが、通常のナビゲーションシステムでは、目的地の緯度経度に最も近い道路上の地点を案内する、というアルゴリズムになっているため、着いたと言われたが行きたい建物が見当たらない、という事象が発生する。そこで同社では、建物の入り口への経路を建物ごとに確認し、誘導するのに最適な道路とひもづけるデータの制作を行っている。
東京五輪誘致の際には「おもてなし」という言葉が使われたが、まさしくこうした目には見えない「おもてなし」の心がゼンリンの地図作りの現場にも見て取れる。カーナビを使ったり、スマホで歩行者ナビサービスを使ったりする場面や、ネットショッピングやモバイルコマースで購入した物が素早く確実にユーザーの元に届けられる裏側では、こうした緻密な地図データが活用されているのだ。(インプレスウオッチ)