東京電力が、原子力部門から福島第1原子力発電所の廃炉事業を別組織に分離する「社内分社化」を検討することが2日、分かった。再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)の事業とは切り離し、汚染水対策や廃炉関連作業の役割と責任を明確化する狙いがある。
廃炉事業の分社化は、自民党の「東日本大震災復興加速化本部」が10月末にまとめた提言にも盛り込まれている。東電は、11月中にもまとめる新しい「総合特別事業計画」(再建計画)に社内分社化を盛り込む方向で検討を始めるという。
自民党提言は、廃炉事業の社内分社化▽完全分社化▽独立行政法人化-の3案を提示している。ただ東電内には、30年以上かかるとみられる廃炉事業を完全分社化すれば人材流出への歯止めがかからなくなるとの懸念もあり、資金やノウハウをそのまま活用できる社内分社化が「最も受け入れやすい」との声がある。
東電は今年4月、火力、送配電などの主要部門ごとに組織を分けた「社内カンパニー制」を導入。汚染水対策・廃炉事業については、福島第1原発で働く人員のほか、地下水に詳しい土木部門、タンク管理のノウハウを持つ火力部門からも人材を集める方針を明らかにしており、今後、新たな社内カンパニーとして廃炉専門の組織を新設することを検討する。
ただ自民党は、国と東電の責任分担の明確化を求めており、国の影響力が及びやすい独立法人化などを求められる可能性もある。