【クールジャパン 目覚めよ日本力】
日本人特有の感性と手先の器用さが生み出す日本製スイーツの世界が、海外から注目を集めている。和菓子は見た目の美しさに加え、油脂や牛乳を使わない味付けが世界のヘルシー志向にマッチ。一方、洋菓子の技術も世界トップレベルにある。政府もクール・ジャパン戦略の柱の一つにスイーツを位置づけ、海外への普及を後押ししている。
海外に日本の文化を紹介する「国際交流基金」では最近、海外事務所から和菓子紹介のイベント開催依頼が増えた。文化事業部企画調整チーム長の大内桃子さんは「和菓子には繊細さやヘルシーさ、日本の伝統や四季…。海外から見た日本へのあこがれが凝縮されているようです」とその理由を説明する。海外のイベントでは、和菓子を見て「本当に食べ物?」と驚かれることも少なくないという。
20年前から海外に進出しているのが老舗の和菓子店「宗家 源 吉兆庵」だ。平成5年8月にシンガポールに海外1号店を出店。現在は7カ国・地域に21店舗を展開し、海外での売り上げも伸びているという。
ニューヨーク店は今夏、観光客も見込めるロックフェラーセンター近くから、地元客中心のマディソンアヴェニューに移転した。海外事業部の渡辺伸一さんは「少しずつアメリカでも和菓子が知られるようになってきた。繊細さや色使いに興味を持ってもらっている」。果物を使ったものやどら焼きが人気だという。