三井物産が9月、生体肝移植のクリニックをオープンした最先端医療が集積する医療棟(左)とマウント・エリザベス・ノビーナ病院=シンガポール(三井物産提供)【拡大】
アジアの病院経営に参画する大手商社が日本の最先端医療や機器輸出に一役買っている。三井物産は今年9月、資本参加するアジア最大の病院グループ、IHHヘルスケア傘下のシンガポール総合病院に日本の最先端医療の生体肝移植のクリニックを共同で開設した。豊田通商は年内にも、セコムグループと共同で、インドに総合病院をオープンし、日本の高度医療機器も仲介する。食生活の変化でアジアでは生活習慣病が急増中で、数年後に100兆円規模に膨らむアジア医療市場を取り込む動きが加速しそうだ。
シンガポールにオープンしたのは、世界的な生体肝移植の権威で知られる田中紘一・京都大名誉教授が率いる生体肝移植の専門クリニック。国をあげて医療ツーリズムを後押しするシンガポールに進出することで、アジアや中東向けに日本発技術を発信する。日本人医師が常駐し、手術には田中氏自ら現地に飛び、執刀する力の入れようだ。
三井物産からIHHに出向する5人の社員のうち2人は専属で、世界の病院を駆け回り、生体肝移植の営業攻勢をかける。医師免許を持ちながら三井物産に中途入社した梅澤良平氏は、IHHの新規事業立案に医師の目線で取り組む。