◆「枠にはまるな」
現在、高い失業率や趣味の多様化で、「先進国では若干、若者の車への関心が薄れている」(日産のゴーン社長)。マツダも「『なんとしても欲しい』と思わせる車がなくなった」(小飼雅道社長)と、開発体制の問題を指摘する。
2008年のリーマン・ショック以来、長らく業績低迷に苦しんだ国内自動車各社は、環境性能などに特化した、財布に優しい実用的な次世代車を開発の主軸に据えてきた。実用的な車は、車を必需品とするユーザーからは支持を得たものの、本来、車が持つべき魅力には乏しく、潜在的な顧客が離れていったという側面もある。
アベノミクスによる円安効果で業績が回復したことも大きいが、自動車各社は、今回の東京モーターショーで、環境性能を土台にしつつも、車作りを原点から見直し、「ワクワク、ドキドキするものが自動車」(トヨタの豊田章男社長)と、魅力ある車作りに主眼を置いた。
「枠にはまるな」が開発テーマのホンダも、「日本の車を面白くしたい」(伊東孝紳社長)として、軽自動車のオープンスポーツカーを出展するなど個性を前面に打ち出した。
「進化を続けなければ、新興国メーカーに追いつかれ、ただのコスト競争になってしまう」(富士重工業の吉永泰之社長)というのが各社の共通した危機意識だ。100年先も国内自動車メーカーが主役で居続けられるか、大いなる挑戦が始まった。
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東京モーターショーは若者の車離れが進むといわれて久しい現状を打開すべく、「世界にまだない未来を競え」がテーマとなった。各社の開発への思いや背景、危機感などを追った。