ジャパンディスプレーが開発したばかりのホワイトマジックは通常のR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の画素のほかに、W(白)の画素を加えたことが最大の特徴だ。このW画素が画面の明るさを効率的に上げるため、通常の液晶より格段に消費電力を抑えることに成功した。ホワイトマジックを搭載したスマホはF-01Fが第1号機。それだけに性能を達成するための作業に苦労した。
モバイルフォン事業本部の豊蔵裕之シニアマネージャーは「昨夏に納入されたときは、表示品質や省エネ性能などが想定の目標に達していなかった」と苦笑する。
両社の技術者が共同で改善に取り組んだ。液晶のノイズを抑えるためにフィルターを装着したら消費電力が跳ね上がるなど試行錯誤を繰り返したが、「初めてのディスプレーなのでリスクは覚悟していた」(豊蔵氏)。
スーパーコンピューターからパソコンまで手掛ける富士通の実装技術も、手のひらサイズのスマホに隅々まで生かされている。HCEは夏モデルで最初に搭載された技術だが、今回はさらにCPUの消費電力をきめ細かな制御によって徹底的に押さえ込んだ。