「3日持つ」富士通の新型スマホ 液晶・CPUの省エネ技術を追求 (3/3ページ)

2013.11.25 06:02

富士通の実装技術が集大成されたヒューマンセントリックスエンジン(HCE)の基盤(富士通提供)

富士通の実装技術が集大成されたヒューマンセントリックスエンジン(HCE)の基盤(富士通提供)【拡大】

 最大限に電力効率引き上げ

 例えば、クロック周波数と呼ばれるCPUの演算速度を左右する動作周期は高速になると段階的に消費電力が増えるが、「どのポイントで上がるかを見極めて直前に速度を落とす制御技術」(豊蔵氏)を導入、電力効率を最大限に引き上げた。

 実際に稼働するモデルができて性能のチェック作業が始まったのは夏になってから。モバイルプロダクツ統括部の今村誠シニアマネージャーは「製品企画は1年ほど前から始まるが、発売日に近い9月半ばまで評価作業の追い込みが続いた」という。

 富士通がスマホの省エネ技術に本格的に取り組み始めたのは実は1年ほど前から。「昨年までは電池の持ちが悪かった」(豊蔵氏)が、夏モデルから方針を転換。F-01Fでさらに進化させた。この開発に投入した専任技術者は100人前後。兼任も合わせると約1000人が関わった。F-01Fで実現した省エネ技術は「主要機種にも展開したい。電池の寿命もせめてウイークデーの5日間は目指したい」と豊蔵氏は目を輝かせる。(芳賀由明)

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