「売り上げ面でのメリットも大きい」と話すのは東京・代官山にあるフレンチレストラン「メゾン・ド・スリジェ」の浅水屋巌(あさみずやいわお)シェフ。「売れ筋は3万1500円の重。毎年150セットほどが売れるので、仕込みを含めても数日で400万円近い売り上げになります。うちは席数が15席しかないので、お店の売り上げを伸ばすには限界がある。そういう意味でも、おせちの果たす役割は大きい」と教えてくれた。同店のおせちは、自家製スモークやリエット、ラタトゥイユなどの洋風具材がメーン。おせち販売は今年で13年目を迎えるが、80%という驚異のリピート率を誇る。
「ポイントは普通のおせちと内容がかぶらないこと。他店のおせちとウチのおせちの2つを購入する方もいるほどです。加えて、昔に比べてお正月の過ごし方が多様化していますよね。三が日にワインを飲む人が増えたのが良い例。そういった方々から厚い支持をいただいています」と、人気の秘訣(ひけつ)を考察する。
奈良時代に始まった「おせち」という習慣。もともとは「長期保存できるものを手作りし、正月にゆっくりと過ごすため」だった。しかし、本来の役割は薄れつつあり、その在り方は変化している。ネット通販で気軽に食を買えるようになった今、「有名店の味を自宅で楽しむ」「ワインのお供におせち」など、消費者は「おせち」に新たな価値観を見いだしているのだろう。
ぐるなび食市場では、全国各地のレストランおせちが注文できる「ぐるなび食市場 おせち特集」を掲載中。毎年恒例のおせちもいいが、今年は“レストランおせち”で変化を付けてみてはいかが。
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■ぐるなび食市場 おせち特集
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