新薬開発競争が激化し、先進国の市場が伸び悩む中、武田はここ数年、新たな市場の獲得に向けM&A(企業の合併・買収)を積極的に展開してきた。2011年にスイスの製薬大手ナイコメッドを約1兆1000億円で買収するなど、新興国の攻略も進めている。
現在、海外売上高比率は5割を超えて、重要案件を決める重役9人のうち5人に外国人を登用。約3万人の世界の従業員のうち3分の2が外国人だ。
こうしたことから、今回のトップ人事は、就任11年を迎える長谷川社長が断行した、グローバル戦略強化に向けた人事体制の総仕上げを意味する。
日産自動車やソニーのように国内大手企業が外国人をトップに据える例は珍しくない。