■2度の金融支援も縮小経営で破綻
スポーツ用品チェーンのタケダスポーツ(盛岡市)が9月30日、負債約54億円を抱えて東京地裁に民事再生法の適用を申請した。積極展開で急成長したが、過剰債務から2度にわたる金融支援を受けながら再建できなかった。勢いだけに任せた経営の典型的な破綻例となった。
1954年創業の同社は東京オリンピック開催の64年に法人化された。創業者は積極経営で知られ、スポーツ・レジャーブームの波に乗って多店舗化を推し進め、80年代まで年1~3店舗のペースでロードサイドの大型店を新規出店してきた。東北の降雪地帯は冬場にグラウンドが使えず、野球やサッカーなど基幹商品の売り上げは伸び悩む。だが、ウインタースポーツの盛んな地域だけに値の張るスキー用品などが売り上げを牽引(けんいん)した。
スキーが大ブームとなったバブル期に出店ペースを加速し、89年から5年間で24店舗を新規出店した。96年8月期は岩手県をはじめ北海道、青森、秋田、山形に計42店舗を構え、売上高は168億円にのぼった。
しかし、拡大路線の結果、有利子負債は130億円に膨らんだ一方、緻密なマーケットリサーチに基づく出店とはほど遠く、不採算店が続出して98年以降は縮小経営を余儀なくされた。出店投資を回収できずに閉鎖する店舗が相次ぎ、経営を圧迫していった。ついに2005年8月期の売上高はピークの半分に当たる85億円に減少した。
07年には金融機関に支援を要請。5カ年の再建計画を策定し、借入金97億円はスポンサーの再生ファンドに譲渡され、債権放棄も受けた。5つの金融機関からシンジケートローンで32億円を調達し、債務問題は解消したかにみえた。創業家出身の社長は経営責任を取って退任し、経営体制は一新された。