【論風】東京財団上席研究員・石川和男 子供に必要な能力の開発 (2/3ページ)

2013.12.19 05:00

 例えば総務省が行った「ワーク・ライフ・バランスの推進に関する政策評価」の中には、放課後児童クラブの学校の余裕教室などの活用について、教育委員会や学校の理解が得られないため実施場所の確保が困難という課題が提起されている。また、12年に成立した子ども・子育て支援3法で放課後児童クラブの対象が小学6年生にまで拡大することになったが、対象者数を拡大することによって質の劣化が懸念される。場所の問題を考えても、限られた場所に多くの児童をただ押しこめておけばよいということにはならない。

 子供の放課後にどのような経験をさせるかという視点を無視したハード(枠組み)重視の政策に陥ってしまう。子供によりいい経験を積ませるという基本を絶対に忘れてはならない。

 ◆「市民先生」による取り組み

 一方、ここ数年、小学生の放課後の過ごし方に焦点を当てた事業を行うNPOや民間企業が出始めている。

 先に挙げた放課後NPOアフタースクールは、現在3つの小学校でアフタースクールを運営している。放課後児童クラブが持つ預かり機能に加えて、放課後子ども教室が目指す未来の日本を創る心豊かでたくましい子供を社会全体で育むという目的にも合致する「地域の“市民先生”による放課後プログラム」を提供している。これは近隣地域の住民の方が先生となり小学生にさまざまな経験を積ませるものである。

 この放課後NPOに対して、日本財団と事業投資育成の専門家で構成するソーシャル・インベストメント・パートナーズ(SIP)が運営する日本ベンチャー・フィランソロピー基金(JVPF)が、助成金の提供及び3年間にわたる経営支援を行うことが決定された。民間活力に基づいた組織が、民間で培われたノウハウによってさらに強化される構図である。

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