行政が行うべきは、全てを丸抱えにするのではなく、利用者に提供するサービスに合わせさまざまな民間プレーヤーを参画させることだ。ナショナル・ミニマムの領域は行政が担い、それ以外の分野はNPOや民間企業の参入を促すべきである。
待機児童の問題も、それぞれの地域や時期によって事情は異なるはずだ。その点を柔軟に対応できるプレーヤーの活力を頼りにすべきである。行政はこのような潮流をさらに促すような「黒子」の立場に回り、深みのある市場形成に尽力していかなければならない。
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【プロフィル】石川和男
いしかわ・かずお 東大工卒、1989年通産省(現経済産業省)入省。各般の経済政策、エネルギー政策、産業政策、消費者政策に携わり、2007年退官。現在、東京財団上席研究員、日本介護ベンチャー協会顧問など。47歳。福岡県生まれ。