ゆえに企業・団体の新人、営業系人材育成等研修講師を仰せつかることが多いが、持論はまず「叱って育てる」で変わりがない(笑)。“未成熟なオトナ”が増えたことは現代社会諸問題の一つ。ここで言う未成熟さとは「他責的」「打たれ弱さ」「依存体質」等に象徴される。本来社会に出るまでにオトナになるということは何か。それはさまざまな挫折を繰り返し体感し、親兄弟、親戚(しんせき)、先生など周囲の期待とも折り合いをつけ、何でもできる!という万能感を喪失して、自らの限界を自覚していく過程だと考える。幼少的な万能感から脱却できず、自己愛的イメージの殻に閉じ籠もり、現実の自分と向き合えないサマが未成熟なオトナではないだろうか。古式ゆかしき日本社会では家庭、学校、地域三つの教育が連携して、成熟した大人が社会に輩出され、その上で各企業などでOJTが施されるという流れがあったように感じる。
悲しいかな現代はそのトライアングルがない。職場OJTも“箸の上げ下ろし”から始めなくてならない。物事にはすべからく長所短所の両面を持つ。指導法についても然り。叱って、褒めての2通りがあるが、筆者はまず「叱って」法で突き抜ける。振り子は振り切ったら戻るしかない。その中庸を見極めるためにも、まずは叱り飛ばす!
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【プロフィル】柴田明彦
しばた・あきひこ 1959年、東京生まれ。慶大法卒。83年に電通入社、新聞局出版・コンテンツ開発部長などを歴任。2006年に退社し、(株)A&Y TRUST 0915 社団法人NS人財創造機構を設立。企業・団体の広報・宣伝、販売に関するコンサルティングなどを行う。