【午年に翔ける】日本製紙社長・芳賀義雄さん(64) (1/2ページ)

2014.1.6 05:00

 ■アジア地域での事業展開を最優先させる

 --業績の回復が進んだ一年だった

 「円安効果で、製紙業界全体としては輸入紙の圧力が和らぎ、国内メーカーに生産が振り替わって、売り上げ増につながった。株高などもあり、不動産や自動車、高額商品などのチラシも増えた。経済的な波及効果はまだ十分といえないが、底支えになってきている」

 --経営環境の変化以外の業績改善要因は

 「東日本大震災後に作った当社の復興計画の中で、需要動向を見ながら生産能力を削減し、固定費の負担を少なくしてきた。輸入紙に引きずられて低迷した市況も、円高修正と同時に回復し、夏前にはほぼ修正できた。今は円安による原材料のコストアップ分の転嫁も進めているので、その効果は年度下期に表れるだろう」

 --今後の値上げについてはどうか

 「原材料価格値上げ分の転嫁の環境条件はそろっている。アベノミクスの考え方としては、企業の活動を活発化してグローバルでの競争力を持ちながら業績を労働者の賃金上昇と同時に経済全体へ波及する。それによって購買力を新たに生み出し、企業の再生産に結びつくというもの。その意味で価格政策を遂行することも重要だ」

 --社員の賃金改善についての考え方は

 「業績が良くなれば、一時金で考えたい。安定的な収益を生み出せるような状況が見えてくれば、世の中の動きを見ながらそこで初めて賃上げなども検討したい」

 --「総合バイオマス企業」という看板を掲げている

 「森林資源や水資源、技術者のノウハウもたまっている。紙事業本体に将来的な懸念が持たれる中で、いろんな事業に積極的にチャレンジしているところだ」

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