アクリフーズの自主回収のお知らせが掲示された冷凍食品売り場=8日、松江市のスーパー(坂田弘幸撮影)【拡大】
マルハニチロホールディングスとアクリフーズの両社は8日、冷凍食品からマラチオンが検出されたことによる自主回収で想定している640万パックのうち、7日までに約182万パックを回収し、回収率が28.4%だったと発表した。問題の公表から8日で10日が過ぎたが回収率は依然低く、アクリ社の公表の遅れが回収が進まない要因との指摘も出ている。
消費者庁幹部は回収が進んでいない理由を「問題の公表が商品を購入したときから時間がたっており、購入したことを覚えていない消費者もいるのでは」と指摘した。アクリ社が問題を公表したのは消費者から苦情を寄せられてから約1カ月半後。マルハ社は「(公表遅れとの)因果関係は不明だが、1カ月半の間に消費してしまったケースも考えられる」と話した。
同庁によると、消費者は食品など安価な消耗品について、車などの高級品と比べ、どのメーカーの商品を買ったのかを意識していないという。消耗品のリコール情報が出ても速やかに回収できない場合が多い。
両社は返品を促すため、8日付の全国紙とブロック紙計10紙に、回収対象としている商品のカラー写真が入った全面広告を出した。回収商品のうち消費者の返品は約8万パック。残る約174万パックは流通在庫だ。マルハ社は「家庭の冷凍庫や流通経路に残っている可能性もある」として今後も回収に努めるとしている。
群馬県の大沢正明知事は8日の会見で「アクリ社には健康の問題もあるので、できるだけ早く回収するよう求めている」と述べた。
商品の返送先は〒370-0523 群馬県大泉町吉田1201 アクリフーズ群馬工場。問い合わせはアクリフーズお客様センターフリーダイヤル0120・690149(午前9時~午後5時)。