関西会員企業との意見交換に先立ちあいさつする経団連の米倉弘昌会長(中央)=29日、大阪市内のホテル【拡大】
経団連の米倉弘昌会長は29日、大阪市内のホテルで会見し、東京都知事選の争点の一つになっている原子力発電の是非について「経済性のあるエネルギーを安定的に供給することが一番重要だ。いまの再生エネルギーの状況では一定量の電力を安定的に供給するベース電源にはできない」と指摘した上で「具体策も示さないで原発反対というのはいかがなものか」と脱原発論に否定的な見解を示した。日本商工会議所の三村明夫会頭や経済同友会の長谷川閑史代表幹事も会見で同様の発言をしており、これで経済3団体トップの見解が一致した。
また、2027年に東京-名古屋間で先行開業を目指しているリニア中央新幹線の大阪延伸について「同時完成が望ましいが非常に大きな資金を要し、トンネルも長い距離になるし、名古屋以降のルートも未定だ。物理的に同時開業は難しい」と言及。ただ45年に予定されている東京-大阪の全線開業の時期については「時間がかかりすぎるので議論していくべきだ」と述べ、開業目標の前倒しが必要とした。
同日、1万5000円台を回復した東京市場の株価については「トルコなどの金融当局が通貨防衛のために金利を上げたことが功を奏している」と歓迎。NHKの籾井勝人会長による慰安婦問題の発言については、明言を避けた。