米連邦準備制度理事会(FRB)議長に1日、イエレン副議長が就任する。みずほ総合研究所の小野亮シニアエコノミストに米国の金融政策の見通しを聞いた。
--連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和の規模縮小を決め、新興国を中心に金融市場が混乱している
「FRBは米経済の回復基調に変わりはないとみて、粛々と緩和縮小を進めたのだろう。新興国経済の動揺が米経済に具体的な影響を与えない限り、FRBは失業率と物価を判断基準として、政策を考えるのが基本だ」
--FOMCの声明には新興国への言及がなかった
「声明で特定地域を取り上げることは通例ないが、FOMCの開催が1週間遅かったら声明が変わっていた可能性はある。市場の動揺から間がなく、海外市場の完全な分析が追いつかなかったのかもしれない」
--新体制では学界の重鎮であるスタンレー・フィッシャー氏(前イスラエル中銀総裁)が副議長になる
「非常に重厚な布陣だ。イエレン氏にとってフィッシャー氏が大物すぎるとの見方は米国にもある。ただ、データを客観的にみて、理詰めの議論を通じて結論を導き出すアカデミックな土台を共有しているのだからコミュニケーションで支障が生じるとは考えにくい」
--新体制の先々の課題は
「イエレン氏はバーナンキ氏の下で重要な役割を担ってきたので、政策遂行の継続性は保たれる。だが、(既定方針である)量的緩和終了後は(ゼロ金利解除や購入資産の売却など)金融政策正常化に向けた戦略が問われる。この難題を具体的に議論する段階になれば、FOMCメンバーの中で意見が割れる可能性もあり、新議長の真価が問われる」(塩原永久)